数年前、朝のスタイリング中にふと鏡を見ると、以前よりも前髪のボリュームがなく、地肌が透けて見えることに気づきました。「まさか自分が…」という思いと同時に、言いようのない不安感に襲われたのを覚えています。もともと髪の量は多い方ではなかったものの、前髪が薄くなるなんて考えたこともありませんでした。その日を境に、自分の前髪が気になって仕方なくなりました。人と話していても、相手の視線が自分の前髪にいっているのではないかと過敏になったり、風が吹いて前髪が乱れるのが怖くて、手で押さえてしまったり。当時は仕事が非常に忙しく、毎日終電近くまで残業し、食事もコンビニ弁当や外食ばかり。睡眠時間も平均して４～５時間程度で、週末も疲れが取れずにぐったりしていることが多かったです。ストレスもかなり溜め込んでいたと思います。思い返せば、頭皮にかゆみを感じることもありましたが、忙しさにかまけて放置していました。このままではいけないと思い、まずは自分でできることから始めようと決意しました。インターネットで情報を集め、育毛効果を謳ったシャンプーやトニックを試してみましたが、残念ながら私には目に見える効果はありませんでした。そこで次に目を向けたのが、生活習慣の改善です。できるだけ自炊を心がけ、野菜やタンパク質を意識して摂るようにしました。睡眠時間も最低６時間は確保するようにし、寝る前にはスマートフォンを触らないようにしました。また、ストレス解消のために、週末には軽い運動をしたり、好きな音楽を聴いたりする時間を作るようにしました。すぐに劇的な変化があったわけではありませんが、数ヶ月続けた頃から、抜け毛の量が少し減ってきたように感じ始めました。そして、半年ほど経った頃、美容師さんから「以前より前髪に少しコシが出てきましたね」と言われたのです。その一言が本当に嬉しくて、涙が出そうになったのを覚えています。完全に元の状態に戻ったわけではありませんが、確実に改善しているという実感は、大きな自信になりました。この経験を通して、生活習慣がいかに髪の健康に影響を与えるかを痛感しました。そして、小さなことでも諦めずに続けることの大切さを学びました。