あなたの薄毛タイプを3分で判断

2021年11月
  • 発毛剤と育毛剤、何が違うの?

    AGA

    薄毛や抜け毛対策の製品を探していると、「発毛剤」と「育毛剤」という二つの言葉を目にすることが多いと思います。これらはどちらも頭髪ケア製品ですが、その目的や効果、法的な分類において明確な違いがあります。これらの違いを正しく理解することは、自分に合った製品を選ぶ上で非常に重要です。まず、「発毛剤」は、その名の通り「新しい毛髪を発毛させる」効果が医学的に認められた医薬品に分類されます。代表的な有効成分としてはミノキシジルがあり、毛母細胞を活性化させ、新たな髪の成長を促したり、細くなった髪を太く育てたりする作用が期待されます。発毛剤は、医師の診断のもとで処方される医療用医薬品と、薬剤師の指導のもとで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)があります。効果が期待できる一方で、副作用のリスクも伴うため、使用には注意が必要です。一方、「育毛剤」は、主に医薬部外品に分類され、その目的は「現在生えている髪の毛を健康に育てる」こと、そして「抜け毛を防ぐ」ことにあります。育毛剤には、頭皮の血行を促進する成分、毛母細胞に栄養を与える成分、頭皮の炎症を抑える成分、保湿成分などが配合されており、頭皮環境を整えることで、髪の毛が育ちやすい健やかな状態を目指します。発毛剤のように新しい毛を生やす効果は謳われていませんが、抜け毛の予防や、髪にハリやコシを与える効果が期待されます。育毛剤は、比較的副作用のリスクが低いとされており、ドラッグストアやインターネットなどで手軽に購入することができます。まとめると、発毛剤は「攻め」のケア、つまり積極的に新しい毛を生やすことを目的とし、育毛剤は「守り」のケア、つまり既存の髪を育て、抜けにくい頭皮環境を作ることを目的とすると言えるでしょう。どちらを選ぶべきかは、ご自身の薄毛の状態や原因、そしてどのような効果を期待するかによって異なります。薄毛が進行しており、積極的に発毛を目指したい場合は発毛剤が、抜け毛予防や頭皮環境の改善を目的とする場合は育毛剤が適していると言えます。ただし、自己判断は禁物です。特に発毛剤の使用を検討する場合は、必ず医師や薬剤師に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

  • ノコギリヤシの「発毛効果」は科学的に証明されている?研究と現状

    AGA

    ノコギリヤシがAGA(男性型脱毛症)による薄毛や抜け毛に対して「発毛効果」を持つのではないかという期待が高まっていますが、その効果は科学的にどの程度証明されているのでしょうか。現状の研究と、その限界について見ていきましょう。これまでに行われたいくつかの臨床研究や基礎研究において、ノコギリヤシ抽出物が5αリダクターゼの活性を阻害する可能性や、AGA患者の毛髪の成長を改善する可能性が示唆されています。例えば、特定の研究では、ノコギリヤシ抽出物を摂取したAGA患者のグループで、プラセボ(偽薬)を摂取したグループと比較して、毛髪の量や太さの改善が見られたという報告があります。また、試験管内での実験では、ノコギリヤシの成分が5αリダクターゼの働きを抑制することが確認されたという報告もあります。これらの研究結果は、ノコギリヤシがAGA治療の選択肢の一つとなり得る可能性を示唆しており、期待が持てます。しかし、一方で、これらの研究の多くは、被験者の数が少なかったり、研究デザインに限界があったり、あるいは効果が限定的であったりするなど、その科学的根拠の強さについては、まだ議論の余地があるのが現状です。AGA治療のゴールドスタンダードとされるフィナステリドやミノキシジルのような医薬品と比較すると、ノコギリヤシの「発毛効果」に関するエビデンスレベルは、まだ十分とは言えません。大規模で質の高い臨床試験がさらに必要とされています。また、ノコギリヤシのどの成分が、どの程度の量で、どのようなメカニズムで効果を発揮するのかについても、まだ完全に解明されているわけではありません。製品によって抽出方法や含有成分、濃度も異なるため、一概に全てのノコギリヤシ製品が同じ効果を持つとは限りません。したがって、現時点では、ノコギリヤシが医薬品と同等の明確な「発毛効果」を持つと断言することは難しく、あくまで「AGAの進行抑制や頭皮環境改善のサポートが期待できるハーブ成分」という位置づけで捉えるのが適切でしょう。過度な期待はせず、専門医のアドバイスも参考にしながら、補助的なケアとして取り入れることを検討するのが賢明です。