子供の薄毛は、見た目の問題だけでなく、学校での友人関係にも影響を及ぼす、非常にデリケートな問題です。特に、円形脱毛症などで脱毛部分が目立つ場合、他の子から心ない言葉をかけられたり、からかいの対象になってしまったりすることがあります。そんな時、親としてどのように子供に寄り添い、状況に対処すればよいのでしょうか。まず、最も重要なのは、お子さんの気持ちを全面的に受け止め、共感することです。「そんなこと気にするな」「男の子なんだから大丈夫」といった安易な励ましは、子供の辛い気持ちを否定することになりかねません。「悲しかったね」「悔しかったね」と、まずは子供の感情に寄り添い、話を聞いてあげましょう。そして、「あなたは何も悪くないよ」「お父さん(お母さん)は、いつでもあなたの味方だからね」と伝え、子供が一人で悩みを抱え込まないように、安全な心の避難場所となってあげることが大切です。その上で、具体的な対策を子供と一緒に考えていきます。無理に隠す必要はありませんが、本人が気にするようであれば、帽子をかぶることを許可したり、脱毛部分をカバーしやすい髪型を美容師さんと相談したりするのも良いでしょう。ウィッグ(医療用かつら)の使用も、選択肢の一つです。最近では、子供向けの自然なウィッグも増えています。そして、学校との連携も不可欠です。必ず、担任の先生に状況を説明し、相談しましょう。いつ、誰に、どのようなことを言われたのかを、子供から聞き取った上で、具体的に伝えます。先生には、クラス全体に対して、人の見た目をからかうことの愚かさや、多様性を尊重することの大切さを、適切な形で指導してもらうようにお願いします。また、休み時間などに、お子さんの様子を気にかけて見守ってもらうことも、いじめの抑止に繋がります。大切なのは、親が一人で抱え込まず、学校という組織と協力して、子供を守る体制を作ることです。親と学校が毅然とした態度で臨むことで、子供は「自分は守られている」という安心感を得ることができます。その安心感が、病気やコンプレックスを乗り越え、自己肯定感を育むための、何よりの力となるのです。