薄毛を目立たなくさせる髪型を考える上で、最も重要なのは「カット」です。いくらスタイリング剤を駆使しても、ベースとなるカットが薄毛に適していないと、十分なカバー効果は得られません。メンズの薄毛カバーにおけるカットの基本を知ることは、自分に合った髪型を見つける上で非常に重要です。薄毛カバーメンズカットの基本は、ご自身の薄毛のタイプ(M字型、頭頂部、全体的に細いなど)と進行度合いに合わせて、髪の長さや量感を調整し、「ボリュームを出す」「薄い部分を隠す・馴染ませる」「視線をそらす」ことです。まず、サイドとバックを短くするのが多くの薄毛タイプに共通する基本です。サイドとバックをすっきりと刈り上げることで、頭頂部や生え際との長短のコントラストが生まれます。これにより、視線がサイドやバックに流れにくくなり、比較的毛量のあるトップに視線を集める効果が期待できます。また、サイドやバックを短く保つことで清潔感が増し、全体のバランスが良く見えます。次に、トップにボリュームが出るようなカットを施すことです。髪が細くなったり、毛量が減ったりすると、髪がペタッとしてしまいがちです。髪に「レイヤー(段)」を入れることで、髪一本一本の重さが軽減され、根元が立ち上がりやすくなります。これにより、髪全体にふんわりとした空気感やボリューム感を出すことができます。薄さが気になる部分の髪は、極端に短くしすぎず、周囲の髪との馴染みを考慮した長さに調整することが重要です。また、毛量調整(すきばさみなど)も重要ですが、すきすぎるとかえって髪がパラパラになって地肌が透けて見えやすくなる場合があるため、慎重に行う必要があります。経験のある美容師や理容師であれば、薄さが気になる部分の毛量を見ながら、必要な部分にだけ適切に毛量調整をしてくれます。前髪の作り方も薄毛カバーの重要なポイントです。M字型薄毛の場合は、前髪を長めに残して流したり、全体を短くして生え際をデザインとして見せたりと、M字部分の進行度合いに合わせて工夫します。頭頂部が薄い場合は、前髪を少し長めに残し、頭頂部に向かって流すようにスタイリングしやすいカットにするのが有効ですし、分け目を曖昧にするカットも効果的です。