街中を見渡すと同年代であっても髪が寂しくなっている人と若々しくフサフサな髪を保っている人がいることに気づきます。もちろん遺伝的な要素は大きいですがそれだけですべてが決まるわけではありません。年齢を重ねても豊かな髪を維持している人にはある共通した生活習慣や行動パターンが存在します。まず彼らは食生活に対して非常に意識的です。髪の原料となるタンパク質を良質な肉や魚大豆製品から摂取し抗酸化作用のある野菜や果物を積極的に食べることで体の酸化(老化)を防いでいます。またジャンクフードや過度な飲酒を控え血管を健康に保つことで頭皮への血流を維持しています。次に睡眠の質を大切にしています。髪の成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため決まった時間に就寝し十分な睡眠時間を確保することで日中のダメージを修復しています。さらに適度な運動習慣を持っていることも共通点です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は全身の血行を促進しストレス解消にもなるため頭皮環境にとってプラスに働きます。そして何よりも特徴的なのは頭皮ケアを毎日のルーチンとして丁寧に行っている点です。洗髪時には頭皮を傷つけないよう指の腹で優しく洗いすすぎ残しがないよう徹底します。ドライヤーの熱を当てすぎない紫外線対策をするなど些細なことの積み重ねを疎かにしません。また彼らは自分の髪の変化に敏感であり少しでも気になったら早めに専門家に相談したりケア方法を見直したりする柔軟性を持っています。つまり「何もしなくてもフサフサ」なのではなく「フサフサであり続けるための努力を自然体で続けている」のが真実なのです。遺伝は変えられませんが生活習慣は自分の意志で変えることができます。フサフサな人の習慣を真似て日々の生活に取り入れることが10年後20年後の自分の髪を守る最強のアンチエイジングとなるのです。定年退職を迎え第二の人生をスタートさせる60代70代のシニア世代においても「いつまでも若々しくありたい」という願いは変わりません。実際に時間や経済的な余裕ができたことをきっかけに薄毛治療を始めたいとクリニックを訪れる高齢者は増えています。医学的には60代以降であっても毛根が完全に死滅していなければ治療によって髪が生える可能性は十分にあります。しかしこの年代での治療には若年層とは異なるリスクと注意点が存在し慎重な判断が求められます。最大の問題は持病と薬の飲み合わせおよび副作用のリスクです。高齢になると高血圧や糖尿病心臓疾患などの持病を抱え複数の薬を服用しているケースが多くなります。AGA治療薬の一種であるミノキシジル内服薬は循環器系に作用し血圧低下や動悸むくみなどの副作用を引き起こす可能性があるため心臓や血管に不安のある高齢者の服用は原則として推奨されません。また肝機能や腎機能も加齢とともに低下しているため薬の代謝や排泄がスムーズにいかず体に負担をかけるリスクも高まります。フィナステリドなどのホルモンに作用する薬に関しても前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を変動させるためがん検診の際には必ず申告する必要があります。